岩波少年文庫

139ジャータカ物語

お釈迦様の前世であるボーディサッタ(菩薩)の物語を集めた昔話集、ということでいいのかな。お釈迦様は、人間としてお釈迦様に生まれる前に、輪廻転生の中で色々な生き物に生まれて様々な功徳を施しながら修行をしていた、という設定(設定っていうのもな…

138ふたりのロッテ

サマーキャンプで出会ったうりふたつの女の子、ロッテとルイーゼ。ふたりは、自分たちが小さいころ、両親の離婚によって離ればなれになったふたごの姉妹だということを知る。大人の都合で、姉妹がいたこと知らされていなかったなんて! ふたりは、その秘密を…

137とぶ船 下

この物語の中で最も魅力的な人物は中世イギリスに生きる貴族の姫君、マチルダでしょう。ピーターたちが最初であったとき、彼女は高慢でわがままで残酷なお姫さまに見えました。しかし、ハンフリが、持ち前の明るさで、(いささか)強引に「ぼくたちはもう友…

136とぶ船 上

ピーターは、町の古道具屋で小さな船の模型を買う。その船は、持ち主を行きたい場所、時代へ連れて行ってくれる魔法の船だった。 ピーター、ハンフリ、シーラ、サンディの4人兄弟は、魔法の船に乗っていろいろな場所・時代にとびます。で、私が連想したのが…

135牛追いの冬

ランゲリュード牧場の両親は農場の仕事で忙しいので、オーラたちは、子どもたちだけで仕事の手伝いをしたり、遊んだりします。それが、死んでもおかしくないくらい危険なことが多い。エイナールなんて、すくなくとも5回は死んでます。こんなにほったらかしで…

134小さい牛追い

「やかまし村」と同じく、北欧(ノルウェー)の小さな村に住む姉妹たちの日常生活を描いたものでした。私はジャンル小説が好きなので、こういう日常生活淡々系は、続くと飽きるのですが、オーラとエイナールの行動がおもしろかったので、最後まで読めました…

133かるいお姫さま

「かるいお姫さま」「昼の少年と夜の少女」 児童書ながら、実に官能的な物語でした。マクドナルドは「お姫さまとゴブリンの物語」の作者ですが、あちらのシリーズとは少し趣が違って、登場人物の性格が昔話のように類型化されているのと、乾いたユーモアに富…

132浦上の旅人たち

明治初期、禁教を解かれたはずの長崎隠れキリシタンの受難を描いた歴史小説でした。外圧によってあからさまな弾圧はなくなったものの、隠匿される形でキリシタンへの迫害は続いており、その一つが信徒たちを故郷から引き離し、全国の藩に流罪して改教をせま…

131星の林に月の船声で楽しむ和歌・俳句

詩人の編んだ、大変可愛らしい詩歌集です。短い解説に鑑賞のツボがきちんとおさまっているところや、線と面を効果的にあしらったデザイン的な挿絵に、清少納言が「うつくしきもの」と評したちいさいものの愛らしさを感じます。本の作りは可愛らしい一方、収…

130やかまし村はいつもにぎやか

解説:長谷川摂子「やかまし村讃歌」 「ほう! ほう! そうだ、そうだ」と言ってくれる足も目も不自由なアンナとブリッタのおじいさん。このおじいさんが、最後まで健在で、おだやかなやかまし村の生活が、このままいつまでも続くのだという余韻を残して終わ…

129やかまし村の春・夏・秋・冬

解説:高楼方子「リーサの目・リーサの言葉」 「アンナとわたしのお買い物」は、思ったとおりお買い物の内容を忘れるのだけれども、必ず途中で、しかも同じ場所で、思い出してしぶしぶ買いに戻るというくり返しがおかしいです。私はあまりくり返しの笑いとい…

128やかまし村の子どもたち

解説:菱木晃子「やかまし村は、みんなのふるさと」 スウェーデンの山の中にあるたった3軒の小さな村に住む、8歳のリーサと兄のラッセとボッセ、隣に住むアンナ、ブリッタ姉妹、ひとりっ子のオッレたちの生活を描いたもの。エブリディ・マジックではなくて、…

127モモ

再々読。モモが意外と普通の女の子です。円形劇場に住み着くまでは、施設に入れられていたらしく、通報されるのをいやがるシーンがありました。今までイメージとして持っていた、特別な力を持った不思議な女の子が、時間どろぼうから時間をとりもどすお話で…

126太陽の東月の西

動物学者アスビョルンセンによって集められたノルウェーの民話集。意外と知っているお話が多いのは、「北欧民話」とひとくくりにされて日本によく紹介されているからでしょうか。 「北風をたずねていった男の子」は『北風のくれたテーブルかけ』、「パンケー…

125秘密の花園下

前半がメアリの物語なら、後半はコリンの物語。メアリがコリンを叱りとばすところは、いつ読んでもすかっとします。一方的にメアリが精神的な優位に立っているわけではなくて、わがままな子どもがかんしゃくをぶつけ合っているだけなところも、はたから見て…

124秘密の花園上

読み返してみると、改めて冒頭のシーンのあまりの非道さに戦慄します。9歳の少女がネグレクトのあげく、コレラで家族が死に絶えた屋敷にひとりぼっちで忘れ去られていたのですから。最初に読んだとき、論評されているほど、メアリは「児童書らしからぬ、かわ…

123名探偵カッレとスパイ団

窃盗、殺人、ときて次のカッレくんの冒険はスパイ団です。 悪者がちゃんと悪者っぽくて、物語の中の「正義」が揺らがないので、安心して読んでいられます。物語を支える倫理観は揺るがないのですが、その中で生きる人々、なかでも悪党一味のニッケは、誘拐し…

122カッレくんの冒険

第一部では、宝石泥棒を捕まえたカッレくんですが、こんどは、冒険というには陰惨な本物の殺人事件が起ります。第一部で、「上質なミステリー」と書きましたが、この「殺人」という深刻な犯罪を取扱うにあたって、リンドグレーンはすぐれた児童文学作家とし…

121名探偵カッレくん

エーミールに続く岩波少年探偵もの第2弾。 探偵小説の好きな主人公のカッレくんは、ときどき空想の中で名探偵ブルムクヴィストになりきって、これも空想の「聞き手」(ワトソン役ですね)に様々な推理を披露するのが趣味(註:ブルムクヴィストはカッレくん…

120 青い鳥

青い鳥 (岩波少年文庫)作者: モーリスメーテルリンク,大社玲子,Maurice Maeterlinck,末松氷海子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/12/16メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る 再読。前回読んだときも思ったけど、女の子の…

115 元気なモファット兄弟

元気なモファットきょうだい (岩波少年文庫)作者: エレナー・エスティス,ルイス・スロボドキン,Eleanor Estes,渡辺茂男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/05/18メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 半年近くかかって、全…

116 ジェーンはまんなかさん

ジェーンはまんなかさん (岩波少年文庫)作者: エレナーエスティス,ルイス・スロボドキン,Eleanor Estes,渡辺茂男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/06/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

117 すえっ子のルーファス

すえっ子のルーファス (岩波少年文庫)作者: エレナーエスティス,ルイス・スロボドキン,Eleanor Estes,渡辺茂男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/07/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

118 モファット博物館

モファット博物館 (岩波少年文庫 (118))作者: エレナー・エスティス,Eleanor Estes,松野正子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/01/18メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る

119 氷の花たば

氷の花たば (岩波少年文庫)作者: アリソンアトリー,フィリップ・ヘップワース,Alison Uttley,石井桃子,中川李枝子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/11/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る「メリー・ゴー・ラウンド」 ジョンとマイケ…

085 はるかな国の兄弟

はるかな国の兄弟 (岩波少年文庫 85)作者: アストリッド・リンドグレーン,イロン・ヴィークランド,大塚勇三出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2001/06/18メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (14件) を見る 鬱展開のリンドグレーンは苦手で…

114 フランダースの犬

フランダースの犬 (岩波少年文庫)作者: ウィーダ,ハルメン・ファン・ストラーテン,野坂悦子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/11/14メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (13件) を見る ネロがこれでもか、と…

112オズの魔法使い

オズの魔法使い (岩波少年文庫)作者: ライマン・フランク・ボーム,W・デンズロウ,Lyman Frank Baum,幾島幸子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/08/19メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (18件) を見る 私は松村 達雄訳「青…

113ペロー童話集

ペロー童話集 (岩波少年文庫 (113))作者: シャルルペロー,マリ林,Charles Perrault,天沢退二郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/10/16メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (18件) を見る「眠りの森の美女」 坂田靖子『ビースト・テイ…

110思い出のマーニー 上

思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫)作者: ジョーンロビンソン,ペギー・フォートナム,Joan G. Robinson,松野正子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 19回この商品を含むブログ (37件) を見る