125秘密の花園下

秘密の花園〈下〉 (岩波少年文庫)
 前半がメアリの物語なら、後半はコリンの物語。メアリがコリンを叱りとばすところは、いつ読んでもすかっとします。一方的にメアリが精神的な優位に立っているわけではなくて、わがままな子どもがかんしゃくをぶつけ合っているだけなところも、はたから見ているとすごくおかしいし。コリンは、本当に小生意気で、後ろ向きでイライラさせられるのですが、インドの王子(ラージャ)のように振る舞うようなところは、愛嬌があります。こういう、登場人物の性格付けが、とてもうまいと思います。少ししか登場しない、愛想のない看護婦にも、ちゃっかりしたところや優しいところがあるので、印象に残るんですよね。
 それにしても、クレイヴン氏は好きじゃないなあ。いい年した大人が、小さい子どもをほったらかししていつまでもメソメソと! コリンは少しお父さんにつれなくしてもいいと思う。