2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「風の妖精たち」「池と木」「ナニナの羊」「ジプシーの杯」「声を失ったオスマル」「雨の乙女」「農夫と土の精」 まさに、フェアリーテイルと呼ぶのがふさわしい、神秘的な美しさに満ちた掌篇集でした。 昔話のお約束として「○○してはいけない」という禁忌…
小学校高学年頃、「きつねのさいばん」というタイトルで読んだときには、悪いキツネが英雄になってしまう結末に腹が立って、理不尽ですごく読後感が悪かった記憶があるのですが、今回はそんなことはありませんでした。ライオン王も狼のイーゼグリムも熊のブ…
物心ついたときから、山の中で父親とふたりきりで暮らしていた10歳の少年デイヴィッドは、父の急死により誰ひとり知り合いのいない世間に取り残される。浮世離れした少年に、デイヴィッドを拾ったホリー夫妻はとまどうが、やがて自由で純真なデイヴィッド…
両親を亡くした13歳の少女マリアが引き取られた屋敷には、古い言い伝えがありました。昔、敵の家から嫁いできた月姫と呼ばれる女性が、代々現れ、歴史をくり返すというのです。月姫とされる女性が過去の過ちを償うとき、敵同士であるメリーウェザー家と黒い…
きらきらしてます。4歳で父親に捨てられた男の子、貧しくてクリスマスにうちに帰ることもできない男の子、自分の臆病が嫌でたまらないのに勇気の出せない男の子、人生のつらさをそれぞれに抱えてはいるけれども、それでも彼らのいるこの空間と時間は、本当に…
先週の暑さが嘘のような涼しさの京都は雨もよいの空の下、怪談を聞きに10年ぶりくらいの映画村に行ってきました。 映画村は夏休み中、妖怪まつりでいろいろやっているようで、チンチン電車が鬼太郎に出てくる幽霊電車に変わっていたり、ラーメン屋のメニュー…
こういう何かの専門家による怪談は好きなのだけど、「美しい新妻」とか「貞淑な未亡人」という表現に身体がかゆくなってしまった。なんつーか、スポーツ新聞的?(読んだことないのでいい加減なこと書いてますが、ようはおっさんくさいフレーズが多いってこ…
毎夏出る怪談本で、やっぱりこのシリーズが一番好きだ。ショッキングな恐怖はなくて、穏やかな日常の中で、ふっと異界への扉が半開きになっていることに気づくような話が多い。特に、月明かりの中、おじいさんの乗った船が雪原を渡っていくイメージの美しさ…
てっきり威風堂シリーズかと思い込んでいたので、カバー見返しを見てずっこけました。一見爽やかで善良そうな好青年が、新米出版社営業として東奔西走する日常の謎系ミステリーです。 出版社営業は、本に携わる人の中でもあまり知られていない仕事なので、井…
なんとなく、こう…CLAMPの「X」の絵柄で脳内変換して読みました。現代日本で巫女や山伏のような時代錯誤の能力者が神霊や大きな運命と闘うという印象が私の中で繋がったのかもしれません。それにしても、泉水子が主人公のはずなのに、深行の心情にものすごく…
原作は、こっぱずかしいまでの少女漫画風ラブコメで、そこが苦手という人は私だけではないようですが、本物の少女漫画にしちゃえば全然問題じゃないですね。いいぞ、もっとやれ。
色々と矢印が飛び交っている荒川河川敷の中で唯一できあがっちゃってるジャクリーンとビリーだが、なぜにこうも荒川にはアニキ、アネキが多いのか。ビリーは正直やりすぎだよ…と思わなくもないが、そこがいい。2メートル越えの大男が入れるムダにでかい冷蔵…
マリアさんとシスターの夢のガチンコバトルと、ラブトリップに引っかかってついに常識を手放した島崎さんと、猫ミミ猫ヒゲが意外とかわいい星。
ニノの秘密がじわじわと露出してシリアスな続き物になるのかと思ったけれど、その後もあいかわらずの荒川河川敷。あれでシスターは、マリアさんの好み(100回谷底に突き落としてもはい上がってくる)なんじゃないか、と一瞬思ったけれども、ごめんなさい、す…
「1ミリの望みもなくたって…この気持ちは失わんのじゃ!」 ステラ…! 肉体の限界すら超える純愛に涙。 一方そのころ、当のシスターについて言えば、マリアさんの寝起きを知っているのか、と思わずニヤニヤしちゃったけれども、絶対に期待するようなシチュで…
中国のかぎ煙草入れのコレクション展。 タバコの葉を乾燥させて粉末にしたものを鼻から吸って香りと刺激を楽しむのがかぎ煙草で、よく海外もののミステリなんかに登場しますね。私などは、話を聞いただけでくしゃみが出そうになりますが。 湿潤な中国の気候…
日本の美術を「かざる」という視点でとらえ直す展覧会。そんなこと言ったら「美術」は「かざる」という行為そのものじゃないか、と思わなくもないですが、ただ「かざる」のではなく「飾り立てる」という一種の過剰にスポットを当てています。縄文時代の火炎…
相変わらずのハイテンション。疲れるので、いっこづつ読みます、いっこづつ。
オカドメ&あゆちゃんは、いつも可愛い&かっこいいなあ。オカドメさんのデート定義に何ら疑問を感じなかった自分です。「鉄人」像とツーショットも、映画「クロサギ」鑑賞も、古本まつりもみんなちゃんとしたデートだよ!(…解体現場は仕事かもしらんけど)…
琉花や海が、あまりにも自由に泳ぐものだから、海がおそろしい場所だということを忘れてしまいそうになります。呼吸の長さとか、尋常じゃないと思うのだけれど、素質のある人はあんなに長く潜っていられるものなんでしょうか。あまり深く考えずに、浮力にま…
帯の上橋菜穂子の讃に釣られてジャケ買いした。表紙の人物の眼差しの強さは、まぎれもなく上橋さんの作品に通じるものでした。 旧い祭りの風習、職人たちのしきたり、閉鎖的な村…濃厚な「和」の雰囲気をかもしながらも、これは近未来のお話です。大戦後、汚…
毎回安定して面白いけれど、10巻まで続くとは正直思っていませんでした。絹代さんに動物仲間ができて嬉しい。今のところマスコットの域を出ていない絹代さんが活躍するのを待ちかねているのだけれど、今後動物コンビで大活躍の回がないかなあ。「猫又の制服…
なんかこう…無駄に表紙が凝っているんだけれど、作者の好きなものなんですか、コレ(破天荒なオヤジ・メガネ・ビール)。あいかわらず、この人の書くお年寄りは元気いっぱいで、若人は振り回されっぱなし。ご愁傷様なことを扱いつつ、笑いで辛気くささを吹き…