134小さい牛追い

小さい牛追い (改版) (岩波少年文庫134)
 「やかまし村」と同じく、北欧(ノルウェー)の小さな村に住む姉妹たちの日常生活を描いたものでした。私はジャンル小説が好きなので、こういう日常生活淡々系は、続くと飽きるのですが、オーラとエイナールの行動がおもしろかったので、最後まで読めました。
 オーラは10歳の少年で、8歳の弟エイナール、妹のインゲルド、マルタたちのお兄さんです。本を読むことが好きで、空想癖のある引っ込み思案な少年で、ガキ大将でいたずら好きのエイナールと比べると、断然私はオーラびいきです。まあ、オーラも男の子なんで、エイナールや近所の友達ヤコブといっしょに、しょうもない遊びをしたりはするんですけれども。
 ちゃっかりしていて外面のいいエイナールへの感情に苦しむオーラの気持ちがとてもリアルでした。初恋の女の子とエイナールが仲良しだったことを知ったときの嫉妬心とか、シラカバ・ラルスからエイナールに贈られた素敵な小箱を欲しがる羨望とか、そのひりひりと焼けつくような思いは、私にも覚えがあります。私は二人姉妹の姉なんですが、たしかに下の子って要領がよくて、歯がみすることが多くて、思わずあるある! とオーラに同情してしまいました。

 どこにあるのですか、コケモモの実は?