2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

図書館と読書

天才探偵sen2オルゴール屋敷の罠

天才少年千と、幼なじみの少年少女が活躍する少年探偵物の第2弾。好評だったようで、続編が出て大変嬉しいです。 転校生の女の子に、オルゴール屋敷と呼ばれる幽霊屋敷の調査を頼まれるところから始まります。千くんがおもむろに転校生にあだ名をつけるので…

ポドロ島

「ポドロ島」「動く棺桶」「足から先に」「持ち主の交代」「思いつき」「島」「夜の会」「毒壜」「合図」「W.S」「パンパス草の茂み」「愛し合う部屋」 怪奇小説が好きなので、もちろん「ポドロ島」は創元の「怪奇小説傑作集」で読んでいたのですが、有名な…

いっちばん

「いっちばん」「いっぷく」「天狗の使い魔」「餡子は甘いか」「ひなのちよがみ」 最近は、不満の残ることが多かった「しゃばけ」シリーズですが、今回は安定したおもしろさを楽しめました。「いっぷく」「餡子〜」「ひなの〜」は前作の登場人物が再登場する…

大阪松竹座狂言の会「福ノ神」「狐狗狸噺」「東は東」

大阪松竹座2等席3階3列30番 3階席で舞台を上から見下ろす形の観劇でした。 「福ノ神」裕福な商人が連れ立って参詣し、福の神に富貴を願う。すると福の神が現れて、奉納のお酒をねだって舞を舞うというもので、人間国宝の茂山千作さんが演じる福の神が本当に…

西国三十三箇所 奈良国立博物館

夏のくじら

読んでいるあいだは、著者が「威風堂」シリーズの大崎梢だということを忘れていました。引き出しが広くて、なんでも器用に書いてしまえる作家さんですねー。「器用に」というのは、クリエイターにはあまり褒め言葉にならないかもしれません。でも強烈な個性…

武士道シックスティーン

剣道に命をかける、熱血スポコン少女磯山香織と、父のリストラにより日本舞踊を続けられなくなってなんとなく剣道を始めた「お気楽不動心」少女西荻早苗の高校部活動物語。磯山香織ちゃんの、強烈なキャラクターに最初から笑いが止まりません。お弁当を食べ…

マイナス・ゼロ

古典SFを読もう第4弾。 もっとクールな話だと思いこんでいたら、三丁目の夕日的なノスタルジーに満ちたタイムトラベルもので面食らいました。舞台は、戦時中、復興期、昭和初期と移り変わっていきますが、その当時の世相を盛り込んで、知っている人には懐か…

トレマリスの歌術師1万歌の歌い手

浅羽莢子氏が最後に手がけた翻訳で、表紙が萩尾望都ということで、気になっていました。歌が魔術とされる世界で、閉ざされた女性優位の母国から、飛び出した主人公が世界を旅するお話です。ハイファンタジーの醍醐味として、こことは別の世界の風景を見、生…

ヴァン・ショーをあなたに

「錆びないスキレット」「憂さ晴らしのピストゥ」「ブーランジュリーのメロンパン」「マドモワゼル・ブイヤベースにご用心」「氷姫」「天空の泉」「ヴァン・ショーをあなたに」 後半の三舟さんの修業時代の3話もなかなか良かった。とろけるような食感のオム…

酔郷譚

「桜花変化」「広寒宮の一夜」「酔郷探訪」「回廊の鬼」「黒い雨の夜」「春水桃花源」「玉中交歓」 慧君とのつきあいは結構長い。はじめて東京駅前の八重洲ブックセンターに行った高校生のとき、あんなにたくさん本が並んでいるのをはじめて見た私は嬉しくて…

楽園の泉

古典SFを読もう第3弾。 宇宙エレベーターの建設なので「プロジェクトX」っぽいのかと思っていましたが、技術者の苦労よりも、特に前半は政治的、社会的な葛藤に重点が置かれていました。こういうのを読むと、今この瞬間に宇宙エレベーター建設の計画が進んで…