2008-08-30から1日間の記事一覧

145風の妖精たち

「風の妖精たち」「池と木」「ナニナの羊」「ジプシーの杯」「声を失ったオスマル」「雨の乙女」「農夫と土の精」 まさに、フェアリーテイルと呼ぶのがふさわしい、神秘的な美しさに満ちた掌篇集でした。 昔話のお約束として「○○してはいけない」という禁忌…

144キツネのライネケ

小学校高学年頃、「きつねのさいばん」というタイトルで読んだときには、悪いキツネが英雄になってしまう結末に腹が立って、理不尽ですごく読後感が悪かった記憶があるのですが、今回はそんなことはありませんでした。ライオン王も狼のイーゼグリムも熊のブ…

143ぼく、デイヴィッド

物心ついたときから、山の中で父親とふたりきりで暮らしていた10歳の少年デイヴィッドは、父の急死により誰ひとり知り合いのいない世間に取り残される。浮世離れした少年に、デイヴィッドを拾ったホリー夫妻はとまどうが、やがて自由で純真なデイヴィッド…

142まぼろしの白馬

両親を亡くした13歳の少女マリアが引き取られた屋敷には、古い言い伝えがありました。昔、敵の家から嫁いできた月姫と呼ばれる女性が、代々現れ、歴史をくり返すというのです。月姫とされる女性が過去の過ちを償うとき、敵同士であるメリーウェザー家と黒い…

141飛ぶ教室

きらきらしてます。4歳で父親に捨てられた男の子、貧しくてクリスマスにうちに帰ることもできない男の子、自分の臆病が嫌でたまらないのに勇気の出せない男の子、人生のつらさをそれぞれに抱えてはいるけれども、それでも彼らのいるこの空間と時間は、本当に…