百物語第7夜

百物語 第7夜―実録怪談集 (ハルキ・ホラー文庫 ひ 2-7)
 毎夏出る怪談本で、やっぱりこのシリーズが一番好きだ。ショッキングな恐怖はなくて、穏やかな日常の中で、ふっと異界への扉が半開きになっていることに気づくような話が多い。特に、月明かりの中、おじいさんの乗った船が雪原を渡っていくイメージの美しさにうっとりする。「百鬼夜行抄」にこういう、陸を行く船の話があったような。