読了本2009・その他

「幽霊屋敷」の文化史

帯から、橋爪紳也『化物屋敷』のように、遊園地のお化け屋敷全般について論じるのかと思っていたら、ディズニーランドの「ホーンテッドマンション」の成立を考察したものでした。私は怖がりの上に、ねずみ御殿には20年前に一度行ったっきりなので、入ったこ…

一生太らない体のつくり方

teatreeさんの記事で知りました。半年以上スポーツクラブに通ってますが、あまり体脂肪に改善が見られないので、運動の方法がまずいのかなーと思っていたところだったので、早速図書館から借りてきました。 …有酸素運動と筋トレの順番が逆だった!(苦笑)。体…

アニメ文化外交

著者が、ミャンマー、サウジアラビア、ドイツ、イタリアなどで行ったアニメに関する講演での体験をエッセイ的に綴ったものでした。この人、ほんとにアニメとアニメに関わる人が好きなんだなーという熱い思いが伝わってきて微笑ましかったです。 海外では、日…

書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記

桜庭一樹は健啖家だなあ、といつも思う。自分では海外文学をほとんど読まないくせに、豊崎由美社長とか、海外文学好きの読書エッセイが好きなのはなぜなんだ。海外文学も、日本の定番作品も、いいなあ、おもしろそうだなあ、と思いつつ、読み始める前の壁(…

スケッチ・ブック

怪異の風景学 妖怪文化の民俗地理

怪異が起きる「場所」は地域社会の境界である、というのは民俗学の本で読んだことがあります。本書では、高知県の首切れ馬伝説を題材に、同一地域の別共同体における伝承の違いから、地理的に怪異が起きる背景を読み解いていきます。切り口は大変面白く読め…

怪談文芸ハンドブック

東雅夫の仕事の一つの到達点であるなあ、と感慨深く読みました。「怪談」という言葉が喚起するイメージの源泉を、教科書的概要だけでなく自身の知見も述べつつ、ここまでコンパクトに示すとは。これを読むことで、自分の好きな怪談の種類やルーツなどが見え…

猫座の女の生活と意見

タイトルからして猫エッセイと期待して読んでいたら、猫は最後の10ページからで、ポカーンとしました。古本エッセイだった、コレ…。

ひとり百物語

フェミニンな表紙に騙されて風呂場本として読み始めたら、湯船から出られなくなって困りました。怖い本て、途中で読むのをやめると実際に怖いことが起こりそうな気がして、ページをめくる手を止められないのです。だから、怖そうな本は、人のたくさんいる電…

現代語訳雨月物語春雨物語

NHKの番組「知るを楽しむ 人生の歩き方 辻村寿三郎」を見ていたら、「白峰」が読みたくなりました。 春雨物語の方は筋らしい筋がないものが多くて、よく分かりませんでしたが、雨月物語はあらすじをだいたい知っているので、サクサク読めます。この「白峰」…

一度は拝したい奈良の仏像

なんとなくな日々

いつまでもデブと思うなよ

せっかくなので、レコーディングダイエットが一気に有名になったきっかけの本を読んでみました。 結論から言うと、117kgのひとが50kg痩せる方法は私にはそのまま当てはまらないな、という当たり前のことを再確認(笑)。50kg減ったら存在がなくなっちゃう。 …

勝てる読書

ISBN:978430961652:image 次から次へと語り出される、まさに綺羅星のごときオススメ本に圧倒されます。しかし、そのせっかくの豊崎節が、文中にある注によってブツブツ切れてるのが残念でした。流れが止まって読みにくかったよ。せっかく欄外があるのに、そ…

白川郷の伝説と民話

学生の時に民俗学で学んだ「民話」「昔話」「伝説」の違いは用語説明だけではいまいちピンと来ませんでしたが、こういう聞き書き資料を読むと、なぜ本書のタイトルに「昔話」という言葉が使われていないかよく分かります。現代の私たちは、「語り継がれてき…

怖い本

表紙は平山夢明の著書の表紙も飾ったベクシンスキー。画集が復刻もされてなんだか今静か(過ぎる)ブーム…? ベクシンスキーの絵は一度見ると忘れられない印象があります。画集も買ったけど、実際に見たいなあ、日本人にはファンが多いと思うから、どっかで展…

子どもに本を買ってあげる前に読む本

「読んでもらう」ことをものすごく考えて文章作り、紙面作りをした結果、ちょっと言葉足らずな所が見られました。が、忙しい人にとにかく伝える、ことを至上命題とした場合、これは戦略勝ちだなとも思います。本当にすぐに読めるし、主張には総論賛成です。…

江戸歌舞伎の怪談と化け物

江戸歌舞伎の怪談ものを題材に、怪談・化け物・幽霊を多角的に論じた一冊。江戸時代のメディアミックスの盛況ぶりや、「母性」から見るフランケンシュタインとお岩さんの比較論など、切り口が多彩で飽きませんでした。 書籍になっているだけあって、全体的に…

ツチノコの民俗学

私は山へ行くと、ちょっと本気でツチノコが怖いのですが、ツチノコの怖さは「飛ぶ」ことにあると思います。本来は地面を這う存在が「飛ぶ」というのはルール違反です。あれですよ、地を這うゴキブリがイキナリ飛びついてくる怖ろしさに通じる。いないだろ、…

ビロウな話で恐縮です日記

同い年ではないけれど、同学年の三浦しをんも絶賛応援中です。小説はシリアスより明るいものの方が好みですがー。ブログで書かれていたときもちゃんと読んでいたのですが、紙に印刷してあるとおもしろさが倍増するような気がします。落ち着いてゆっくり読め…

アイヌの昔話

文章が硬くて、読むのにすっごい時間がかかりました。節をつけた歌で伝えられた物語を、日本語の現代文に直して、尚その魅力を伝えるというのは、なかなか難しい作業だと思います。アイヌの昔話に見られる「折れたい木々は幹から折れ、折れたくない木々は根…

怪のはなし

『江戸東京怪談文学散歩』の最後の章は、筆者の東雅夫が友人たちと泉鏡花『恋女房』の舞台を回るというものでしたが、その一員が加門七海。この2冊を平行して読んでいたのは、本当に偶然の一致で「つながっている」感が一層増しました。 「みえる」人の怪談…

江戸東京怪談文学散歩

百鬼夜行絵巻で妖怪画と幽霊画の違いに頷き、全生庵の幽霊画コレクションで近世における幽霊のイメージ像に震えた後は、近世と戦前の東京を舞台とした怪談文学の現場をめぐるエッセイを楽しむ。積ん読してある本を手当たり次第に読んでいっているんですが、…

幽霊名画集 全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション

ペリカン社の普及版も持ってるんだけど、図版はともかく解説を読むのは文庫版の方が便利です。表紙の「こはだ小平次」の顔をまじまじと見たら、まつげが気持ち悪かった。 人文系の論文は、きっちりと論考を積み重ねていくひと、つっこみどころはあるけど強引…

百鬼夜行絵巻の謎

百鬼夜行絵巻の謎 (集英社新書)" title=" 百鬼夜行絵巻の謎 (集英社新書)" class="asin"> リーズナブルな価格で初見の妖怪画と緻密な論理パズルが楽しめるお買い得な一冊でした。「百鬼夜行絵巻」っていろんな種類があるんだな〜としか思ってませんでしたが…

異界談義

2001年に国立歴史民族博物館で開催された企画展示「異界万華鏡−あの世・妖怪・占い」の内容をまとめて刊行されたものの文庫化。私はこの展示を見に千葉県佐倉市まで行きました。駅からさらにバスで行かないといけなくて、大変だったのもよい思い出です。その…