怪談文芸ハンドブック

怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)
 東雅夫の仕事の一つの到達点であるなあ、と感慨深く読みました。「怪談」という言葉が喚起するイメージの源泉を、教科書的概要だけでなく自身の知見も述べつつ、ここまでコンパクトに示すとは。これを読むことで、自分の好きな怪談の種類やルーツなどが見えてきます。
 冒頭に置かれたQ&Aも、怪談好きなら誰もが抱くであろう疑問をきっちり押さえていて、心憎いです。怪談とホラーの違いとか、長編怪談は成り立つのか、とか実話と創作の違いとか。
 惜しむらくは巻末に索引がないこと。作っちゃろうか。