子どもに本を買ってあげる前に読む本

子どもに本を買ってあげる前に読む本
 「読んでもらう」ことをものすごく考えて文章作り、紙面作りをした結果、ちょっと言葉足らずな所が見られました。が、忙しい人にとにかく伝える、ことを至上命題とした場合、これは戦略勝ちだなとも思います。本当にすぐに読めるし、主張には総論賛成です。「あんたの読んでる本はくだらないから、これを読め」と言って子どもが本を読むようになるわけがない。
 「現代子どもの本事情」ということで、今は子どもの本の書き手がいない状態ということでいいんだな、再確認しました。だいたい、私の皮膚感覚に合っていて納得です。漫画も、文学も、今の小学校低学年から中学年の子が読んでおもしろがれるような本がないということが、絵本から読み物の本への移行が進まない要因のひとつではあると思います。このギャップをはっきりと指摘したのは脇明子さんですが、残念ながらその主張は、実際に今の子どもが読んでいる本をまずは肯定するという方向には向かなかったのでした。子どもと本に関わる人は、脇明子赤木かん子の両方の感性が必要という自戒をこめて。