2010-09-12から1日間の記事一覧

どろんころんど

「記憶」とは、「存在」とは、「自己」とは何か、という哲学的な問いを発するのに、アンドロイドという設定がぴったりマッチしています。穏やかな終末世界を、商品解説のための少女型アンドロイド、アリスと、アリスを忠実に守るレプリカメ万年1号、ヒトの…

ぼくの名はチェット

ハードボイルドっぽいけど、チェット(犬)の一人称で語られるせいで、なんとなくほのぼの。 普通のミステリーって、著者が必要な情報をわざと読者に伏せていてアンフェアだよな〜という気持ちをどうしても持ってしまうのだけれど、犬視点だから、そういう消…

魔所 イタコ千歳のあやかし事件帖2

「魔所」「これはこの世のことならず」「白い虫」「馬市にて」「エピローグ逢魔が時」 ライトノベルっぽいけれど、ラノベというにはちょっと地味、という変に気になる表紙です。でも、一般書の平台にあるとすごく目立つから、これはこれで。 弘前の近郊を舞…

善人長屋

「善人長屋」とうわさされる「いい人」ばかりが住んでいる長屋。しかし住人は全員裏の仕事を持っていた…。そこに、転がり込んできた真人間の加助がもちこむ他人の困りごとを、裏稼業で鳴らした腕をつかって解決してやるというお話。 一つ一つの事件は、血を…

アナザー修学旅行

さまざまな事情で修学旅行に行けない中学3年生の少年少女の「もうひとつの」修学旅行。修学旅行でクラスメート達がいなくなった教室で、3日間あまり親しくない人たちと過ごさなくてはいけない緊張感とか、微妙な心の距離とかが、丁寧に…しかしあまり痛々し…

きのこ文学大全

文学大全といっても、演劇、詩、音楽、映画といわゆる「人文系」全般に守備範囲を広げてきのこに関する話題をあつめた本でした。『きのこる キノコLOVE111』を読了したので、積読本の山から発掘。 『きのこる キノコLOVE111』を読んでいて、妙な既視感を覚え…

きのこる

「きのこの山」がアポロの製造ラインから生まれたというトリビアや、各国きのこ事情(「中国の謎図譜」は確かに吹きださずにはいられない…)、毒キノコの迷信や種類などなど、キノコ愛がページのあらゆるところからほとばしる熱い本でした。読もうとページを…