ぼくの名はチェット

ぼくの名はチェット (名犬チェットと探偵バーニー1) (名犬チェットと探偵バーニー 1)
 ハードボイルドっぽいけど、チェット(犬)の一人称で語られるせいで、なんとなくほのぼの。
普通のミステリーって、著者が必要な情報をわざと読者に伏せていてアンフェアだよな〜という気持ちをどうしても持ってしまうのだけれど、犬視点だから、そういう消化不良な感じがないところがうまいって思います。だって、チェットってば、落ちているコーンフレークに気を取られて大事な会話を聞き逃しちゃったり、ボールに気を取られて犯人の手掛かりを忘れてしまったりするんだもの。
 チェットの名誉のために付け加えておくと、彼は警察犬としてちゃんと訓練を受けたとっても優秀なバーニーの相棒です。食べ物や動くものに気を取られるのは、犬である以上仕方のない。チェットが警察犬として卒業できなかった「ネコ事件」は、続巻で語られるのでしょうか。楽しみです。