読了本2010・児童書

風の靴

id:teatreeさんのおすすめ「島本(しまぼん)」(船本?)。 ちょ、中学生が船動かして大丈夫なの、とのっけからびっくりしましたが、子どものころから船に親しんでいたら操船できるものなのかなあ、とカルチャーショックでした。船を動かす操作がディティー…

地球のまん中わたしの島

ひとつの共同体に、思春期の女の子がどんなふうに入り込んでいくのか、「よそもの」としての意識を抱えながら友人たちと触れ合っていく灯子の気持ちが丁寧に描かれていて、心地よい読後感でした。 ヒミツのバーベキューは、「島」ならではの発想で、わくわく…

天才探偵sen5亡霊プリンスの秘密

「神かくしドール」と続けて読んだせいもありますが、話の筋が似ているので、ついつい比べながら読んでしまい、素直に楽しめなくて残念…。ちょっとまとまりが悪いかな。 しかし、今回は、千のライバル(?)キリトくんのキャラのほうで楽しめました。このシ…

天才探偵sen4神かくしドール

メアリー人形の設定がすごくよく考えられていて、あとがき読むまでしっかりだまされました。 千が現実世界に現れた黒いメアリードールと対峙するシーンは、江戸川乱歩の少年探偵ものが持っていたスリリングな雰囲気が、現代風に蘇っていて手に汗握りました。…

松谷みよ子のむかしむかし十 日本の伝説5

松谷みよ子のむかしむかし九 日本の伝説4

松谷みよ子のむかしむかし八 日本の伝説3

松谷みよ子のむかしむかし七 日本の伝説2

松谷みよ子のむかしむかし六 日本の伝説1

8月の暑さのなかで

コンビニたそがれ堂

「野性時代」7月号第二特集「男子禁制!?女子のためのファノベ特集」のブックガイドから、未読作品をチョイス。ハートウォーミングなんだけど、「あんず」とか「あるテレビの〜」みたいに、どうにもならない別れの寂しさ、みたいなものが根底に描かれていて、…

銀の枝

ともしびをかかげて 上下

引き出しの中の家

ガーリーなコロボックル物語。 引き出しの中に人形の家を作るこまごまとした工作や裁縫の様子、そして、小さな盆栽で花見をする小人たちの姿など、「床下の小人たち」「コロボックルシリーズ」から連綿と受け継がれる小さい人の物語の魅力が存分に描かれていま…

クロニクル千古の闇6 決戦のとき

最初のうちこそ、トーラークー、おまえの辞書に反省という文字はないんかい! とつっこんでいましたが、斧を落としたときに、ああ、これがトラクだよな、と一気に気が抜けました。ベイルの声を思い出して無事に崖を登り切ったので、よしよし、よくやった、と…

おそろし箱

独立したホラー短編集かと思ったら、「あやかしの鏡」シリーズの番外編みたいな話でした。本編の方は、興味がありつつも未読だったのですが、う~ん、これは本編は読まないなあ。この中で一番怖かったのが、「癒しグッズ」と称して兄の寝顔の写メールをばらま…

算木の家

大正時代の山形県、上杉藩の旧藩士の家に生まれたりつは、家に伝わる先祖の道具を見ながら、過去に思いを馳せます。 作中現在と過去の切り替えがやや唐突でとまどいましたが、すぐに算術をめぐる雪国の人々の物語に引き込まれてしまいました。 書方の家に生…

緑瑠璃の鞠

母を亡くして、泣きながら大路にさまよい出た少女は、百鬼夜行に出会う。「ついてくるな」と小鬼がくれた緑瑠璃の鞠は、眺めているとつらいことや悲しいことをすべて忘れられた…。 「鬼」というのは単に盗賊のことかと思わせておいて、実はそうでもないのか…