地球のまん中わたしの島

地球のまん中 わたしの島 (ノベルズ・エクスプレス)
 ひとつの共同体に、思春期の女の子がどんなふうに入り込んでいくのか、「よそもの」としての意識を抱えながら友人たちと触れ合っていく灯子の気持ちが丁寧に描かれていて、心地よい読後感でした。
 ヒミツのバーベキューは、「島」ならではの発想で、わくわくしました。別に内緒にする必要も、本当の意味での禁忌でもないんだろうけれど、あえてそれを秘密にして後ろめたさを味わうっていうのが、連帯感を深めてていいですね。
 「秘密」と「ハレ」の儀式を共有することで、共同体の一員となるという流れが自然だったので、最後の祭のシーンはもっと盛り上がってもよかったのになあ。