緑瑠璃の鞠

緑瑠璃の鞠 (物語の王国 7 )
 母を亡くして、泣きながら大路にさまよい出た少女は、百鬼夜行に出会う。「ついてくるな」と小鬼がくれた緑瑠璃の鞠は、眺めているとつらいことや悲しいことをすべて忘れられた…。
 「鬼」というのは単に盗賊のことかと思わせておいて、実はそうでもないのかも…という描写は、平安時代の闇の濃さ、彼岸と此岸のあいまいさがよく出ていました。