2011-01-29から1日間の記事一覧

オカルトの帝国

見えない世界の覗き方

ロウソクの科学

「空気の発見」に比べて読みづらかったのは、記述がほぼ公開実験の様子を説明したものだったからでしょう。ある程度、実験が頭に浮かばないと、何が起こっているのか分からない。付録の「ファラデー 人と生涯」のように「物語」になっていると、すんなり入っ…

空気の発見

科学はわからなくても科学史は面白いです。時代の空気を反映しているのか、権力者vs科学者(真理の探究者)の図式はやや安直すぎるのでは…と思わなくもないところが僅瑕かな。当時の科学水準や発見時のエピソードと、基本的な化学の知識がバランスよく、かつ…

御師弥五郎 お伊勢参り道中記

「御師」という職業やお伊勢参りのシステムに、雑学的な面白さがあるけれど、ほぼそれだけで読ませた、という感じで、キャラクターや個々のエピソードは物足りません。雑誌の連載だったせいか、各話のつながりやエピソードの畳み方も中途半端だし、単行本化…

オルゴォル

自分にとって、朱川湊人さんの作品は、好きなものとそうでないものとが、結構はっきりと分かれてしまうのですが、本作は苦手な部類でした。メッセージ性があるのはいいし、それに賛同しないではないけれど、やや説教臭さが前面に出過ぎと感じました。

影法師

天才肌の彦九郎よりも、実は勘一の方が社会で活躍できることを示唆するエピソードが、物語冒頭からあちらこちらに巧みに織り込まれているので、たぶんこうくるだろうな、というところに落ち着きました。それはいいんですが、後半は少し急ぎ過ぎたような感じ…

背表紙は歌う

作家、編集者、出版社営業、取次業者、書店員、本に関わる人たちが、お互いに交流しながら出版文化を盛り立てていこう、としているのが、なんかこう、羨ましいな…と思いました。こういう輪に図書館員も入っていけたらいいのに。しかし、表題作を読んで初めて…

玉工乙女

取り分けて、事件らしい事件は起こらないけれど、作品の持つ雰囲気の心地よさに身をゆだねていたら、いつの間にか読了していました。彫紐にゆかりのある二人の少女が主人公というので、いつ出会って友情を育むのかとわくわくしながら読み進めていたので、あ…

ピスタチオ

後で感想を…書けるかなあ。とある一行に鳥肌が立った。