玉工乙女

玉工乙女
 取り分けて、事件らしい事件は起こらないけれど、作品の持つ雰囲気の心地よさに身をゆだねていたら、いつの間にか読了していました。彫紐にゆかりのある二人の少女が主人公というので、いつ出会って友情を育むのかとわくわくしながら読み進めていたので、あの終わり方には肩すかしをくらった感じですが、意外にも悪い気はしませんでした。これもありだよねー、というゆるさが、ある種の中華小説の醍醐味かな、と思います。「蓮食い」が可愛い。