楽晶珠

楽昌珠
 唐代の武則天から玄宗皇帝による開元の治を舞台にした時代小説なのですが、そこで活躍する主人公たちは、神獣に導かれた桃源郷でその時代を生きている夢を見ている…という何とも摩訶不思議な設定。普通の歴史小説ではいけなかったのかと思えるほど、宮廷での出来事は存在感があるのだけれど、この「夢」が介在することで、主人公三人の運命を流転させる宝物にリアリティが出てくるのだからよく考えられています。