18冊(2011.10〜2011.12)
『拙者は食えん! サムライ洋食事始』は、幕末から明治にかけて、はじめて洋食に触れた日本人の悲喜こもごもの反応を、当時の日記から丁寧に拾った歴史エッセイ。「バターのにおい気持ち悪い」「魚食べたい」「アイスうめえ」など、人間の根源を支える「食」に対しては、武士や高級官僚の面目も何もあったものじゃなくて、素直な感想が残っているのが楽しい。「名もなき人」というわけではないけれど、タイムスクープハンター的な面白さがあった。
『もうダマされないための「科学」講義』は、科学的なものの考え方ってこういうものだよ、ということを示すだけでなく、「なんかやだ」とか「よさそうかも」という非科学的な感情をないがしろにして、「科学」をだれもが共有することは難しい、みたいなことが書いてあって、今の科学者はそこまで考えてるのかと感心した。
『よりぬきただいま食事中』はとりのなんこさんのお食事がカラー写真で掲載されていて、「とりぱんクッキング」のファンには嬉しい内容。
『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?』は、児童文学の大御所たちが、十把一絡げにバカにするゲームや漫画、ライトノベルに目を通し、やり込んで、これらの作品が子どもたちをどのように受け止めてくれたのかをちゃんと分析してあるところが素晴らしかった。