県民性マンガ うちのトコでは

うちのトコでは
 帯に「…人気サイト「四国四兄弟」が大幅加筆で…」とあったので、これは地元ネタが濃いに違いない、と思って表紙買いしたら大当たり。47(+α)人もいるのに、ほぼ全員キャラ立ちしていてすごいです。一部「……だれ(どこ)?」というヒトもありますが…。前半は、北から南まで、すべての地域にまんべんなくエピソードを振り当てていて、特に四国が多いということもなく。関西女子勢の可愛さと、島根の神様パワーがいいですね。
 「四国四兄弟」で、愛媛がのんびり長女、香川がしっかり次女、とあって、香川が長女だろJKと思った私は香川県出身で、著者は愛媛出身です(笑)。「四国分裂」は、まさにその通りー! 天気予報は、四国じゃなくて、みんなそれぞれ瀬戸内をはさんだお向かいの県(府)と一緒に流すもんね。四国山地は高い。でも、実家を出て、どこに行っても「きょうだい」は「きょうだい」であるように、「四国」はやっぱり「きょうだい」だと思っています。
 そして、意外と読み応えがあったのが後半の「夢の架け橋」。「夢の架け橋」、つまり瀬戸内3橋(瀬戸大橋、鳴門海峡大橋、しまなみ海道)が完成するまでを、神戸を中心に行政サイドから描いたもので、プロジェクトX的な面白さがありました。美人でおしゃれで有能で気が強い妹は好きですかー? 大好きですー。神戸(兵庫だけは、一県ひとりではなく、神戸、淡路、播磨、丹波、但馬の五人戦隊制)がカッコよすぎて泣いた。そして、政治的根回しと経済的バックアップに奔走する神戸をしり目に、「地の利」という努力とあんまり関係ない優位性を活かしてちゃっかり一番乗りをする岡山・香川に、ニヤリ。
 今度ミカンを食べるときには、是非「和歌山むき」で食べたい。