探査機はやぶさ7年の全軌跡Newton別冊

探査機はやぶさ7年の全軌跡―世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ (ニュートンムック Newton別冊)
 こちらも、これまでNewton誌上での「はやぶさ」の記事を現在の視点からまとめたもの。「まとめる」と一言で言うと簡単だけど、一冊の本として齟齬や違和感がないように編集するのは、すごいスキルだと思う。通読性に優れているのは、イラストや図解の少ない『小惑星探査機はやぶさの大冒険』の方だけど、ビジュアルたっぷりの本書は見て理解できる楽しさがあります。
 それにしても「大冒険」(2010/7/29発売)といい、本書(2010/7/27発売)といい、「はやぶさ」の企画段階からコツコツと取材を続けてきたからこそ、このタイミングでこれだけ充実した内容の出版物が作れたんですよね。私は、再突入の日(2010/6/13)まで「はやぶさ」のことを知らなかったクチですが、今もマスコミに乗らない面白くて大切な事柄が世界でいっぱい起こってるんだろうなあ。そして、そういうことを取材して人々に知らせようとしている人たちもやっぱりいて、ちゃんとアンテナを張っておけば、自分で捕まえることだって不可能じゃないんだな…。