夏の前日1

夏の前日 1 (アフタヌーンKC)
 絵は好きなんだけど、お話作りがきごちないなあ。大学生の青木君の視点で進むのかと思ったら、唐突に年上の恋人、藍沢さんの心情描写が入る。視点が混在するのが悪いわけじゃないんだけど、切り替えの仕方や順番がどうにもまずい。読者は、最初青木君の立場で、藍沢さんの真意を測りかねてモヤモヤ、というのが読みどころなのに、あっさり藍沢さん視点のモノローグがはいって、拍子抜けする。肝心の心理描写でも、年上の女である藍沢さんがあまりにもステレオタイプなので、もう少し深みが欲しいところ。