WOMBS１

　『天顕祭』の著者の第２単行本。女性と男性で、読後感がかなり違うと思われる。女性でも、妊娠経験の有無でだいぶ違うかも…。最初はちょっと受け入れられなくて、５回位読み返してしまった。アルメア軍曹やサウラ中佐が、転送兵が「ドナー」だった地獄のような過去をくぐって勝ち得た今の地位なんだろうけれど、それはやっぱりどう見ても欺瞞に満ちている。読者の多くは、プロパガンダや「反対派」と同じ気持ちになるんじゃないかなあ。でも選べそうで選べないオーガ達の立場を思うと、どう考えたらいいものやら、と真剣に吐きそうになりながら、読み返さざるを得なかった（そして、しばらく経つと、怖くなって読み返せなくなった）。
　タイトルの「WOMBS」が、作中では「子宮隊員」という差別用語として使われているところに、作者のたくらみがありそうなんだけど、ああ、また続きが楽しみなのに怖い漫画に出会っちゃったよー。