現代百物語

現代百物語 (角川ホラー文庫)
 怪奇現象、というよりは、身近にいる少々アレな人々の小話を集めたようなもの。「結局人間が一番怖いよね」系の話はあんまり好きではないんですが、もやもやしつつも最後まで読んでしまいました。
 この懐かしくも胸の悪くなるような心持ちは、あれです、女子の悪口。相手への蔑視からくる嗤いをちょっとした優越感でくるんだ、休み時間に、放課後に、あるいは喫茶店で繰り広げられる「オンナノコ」の悪口大会の雰囲気そのままで、イヤ〜な気分になりつつも何故か目をそらせません。認めたくないけど、自分の暗部をえぐられているような気がするから、こんなにも不快なんだろうな…あ〜厭だ厭だと思いつつ、そのうち何故か赦されたような気分になってきたりもして、大変ヘンな読後感でした。
 それにしても、こんな奇妙な知人がたくさんいるシマコさんが一番怖いよう。