皇国の守護者1〜5

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス) 皇国の守護者 2 (ヤングジャンプコミックス) 皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス) 皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス) 皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)
 はー、お腹いっぱいです。
 龍や剣歯虎が出てくるというので、中華風か欧羅巴風と思っていたのですが、旧日本軍がモデルらしき架空戦記物でした。
 敗走する正規軍のしんがりを任された部隊の後のない戦いを描いたもので、ものすごい勢いで登場人物が減っていきます。特に冒頭の西田少尉と、最後の日の金森二等兵と新城大尉とのシーンが印象的。漆原少尉のエピソードもすべてがいい。敵方である帝国軍のカミンスキィ大佐とバルクホルン大尉の家族の話を挿入するタイミングもうまかったです。
 主人公の新城大尉は、白兵戦のできる(その分黒い)ヤン・ウェンリーといったところで、敵将たるユーリア元帥との会談は、ラインハルトとの初の面談を彷彿とさせました。そのユーリア東方辺境領姫は、まるでクシャナ殿下のようなりりしさで…。
 龍の板東一之丞殿がこれから活躍するらしいところで終わってしまい、残念です。千早と板東殿の交流がもっと見たかったのに。しかし、新城がモテモテになるのはなんか違う気がするので、キリのいいところではあります。漫画の作画は女性だそうですが、息を呑むような迫力ある戦闘シーンと、繊細なモノローグでコミックスのファンが多いのもうなずけました。