三井寺展 大阪市立美術館

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 三井寺は、天台密教の信仰が篤く、秘仏が多いのだそうです。今回特別に公開されるというので、行ってきました。今週は駆け込みの展覧会が多くて、バタバタしてます…(^^;。いつもまだまだ日がある、と思ってると、いつのまにか終期が近づいているんですよね。
 全体的に、三井寺の仏様は、女性的で優しいお顔立ちでした。みうらじゅんが言っていたように、滋賀には美仏が多いのかしら。並んで展示されていた訶梨帝母椅像と吉祥天立像は、方や聖母、方や聖女という女性美の両極があり、どちらも本当に美しくてうっとりです。
 一方で、密教らしく荒々しく畏怖の念を起こさせる造形もたくさんありました。美人も好きだが異形のものも大好きです。海上を疾走する牛に騎乗した大威徳明王は、正面の立ち姿が多い中では、躍動感があって異彩を放っていました。大威徳明王というと、いつも「カルラ舞う!」を思い出します…。今回の展示品で、最も異彩を放っていたのが、異国の神新羅明神像でした。展示部屋の入り口正面に鎮座していて、入るときからもうその白塗りの異形な面に、思いっきり引いてしまいました。けっこう入場者がいて会場は混雑していたのに、この像の前だけ、不気味なほど人がいません。隣の如意輪観音坐像には、人が群がってるのに! 極端に垂れ下がった真っ赤な目、突き出た鼻、異様なほど白い顔色、なんというか、すっごい怖い…。力のある神様なんだなーと問答無用に思います。
 目玉である黄不動尊は、絵よりもそれを立体化したという不動明王立像にワクワクでした。き・ん・に・く・が。二の腕とか、背中の筋肉が素晴らしく美しくて、撫でさすりたいい! おかしいなあ、マッチョはあんまり好きじゃないのに。いやあ、ほんと、あの二の腕はすごかった…。絵の方は、印刷が禁じられているほどの秘仏、という触れこみですが、映像には撮ってもいいらしく、テレビやDVDでバンバン流れています。どうせなら、撮影も禁止すればいいのに。今の世の中「秘められたもの」があるということは、日々の生活の潤いになると思うんですが。