生活と芸術-アーツ&クラフツ展 京都国立近代美術館(岡崎)

 ウィリアム・モリスに代表される「日常のなかに芸術を」という運動が生み出した工芸品の、主にヨーロッパと日本の作品を見ることができます。陶器や燭台など、美術品としての価値の高いものもいいのですが、カトラリーや家具など、本当に実際に毎日使っているものがデザイン一つでこんなにも魅力的になるのかという…「これ欲しい〜」というものがたくさんありました。
 特に気に入ったのは、レードルとドイツの電気ケトルです。ケトルは昔の丸いコンセントの差し込み口があり、それが尻尾みたいで可愛い一方で、フォルムがドイツらしいシャープさで、本当にかっこよかった。寄せ木細工の大きなベッドもいいなあと思ったのですが、これは大きなお家から買わないとですね。蓋に緑玉をあしらったでキャンターも、ガラスと金属のバランスが繊細で、これでお水(飲める人はもちろんお酒でしょうが)を注いでもらったら一割り増し美味しく感じそうです。
 一流のデザイナーによる洗練された道具を見た後で、自宅の台所道具を見ると、これはこれでブサかわいくて、愛おしくなります(笑)。