ジョン・バーニンガム絵本原画展 大丸ミュージアム梅田

 子どもの頃読んでいた作家ではないのが残念ですが、「いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」とか、「ガンピーさんのふなあそび」などの傑作定番絵本を数多く手がけたジョン・バーニンガムの日本で初めての絵本展。私はどちらかというと夫人のヘレン・オクセンバリー「カングルワングルのぼうし」に子ども時代の強い思い入れがあります。でも、おとなになってから読んだ「くものこどもたち」とか「アボガド・ベイビー」とか「おじいちゃん」とか、大好きー。
 ひとつの画面にいろいろな技法を混ぜて書いてあるので、筆致をたどるのがとても楽しい。製本されてからも分るほど、ざっくざっくと切り貼りしたあとが見えることから、おおらかな性格がうかがえる。私は気づかなかったけれど、先輩は、絵本にしたときに、構図がかわるほどばっさり端を切ってしまってることを指摘してました。そういえば、会場は知人だらけでした。もっとも有名な「いつもちこくの〜」から分るように、ユーモアの中にもピリッとした風刺や子どもの不安、世界の悪意を潜ませているバーニンガムらしく、暗い色の使い方、色合いが印象的だった。
 大阪でしかしないのだろうか、もったいない!