妖怪幻獣百物語 グランフロント大阪北館ナレッジキャピタルイベントラボ

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 木原浩勝氏が発見して話題になった件のミイラを始め、十年前に川崎市民ミュージアムで「日本の幻獣」展を企画した湯本豪一氏のコレクションが多数出展されているということで、楽しみにしていました。


 湯本豪一氏によるギャラリートークを聞きながら展示を見て回りましたが、目玉の幻獣ミイラの展示には度肝を抜かれました。
 角の生えた五つの頭蓋骨は、狐の頭蓋骨を燭台に祀られていて、狐の頭蓋骨には溶けかけた蝋燭がそのまま乗ってるとか。
 六体の烏天狗のミイラは、それぞれ二体ずつが「天のみそぎ」「人のみそぎ」「地のみそぎ」と呼ばれていたとか。
 ある地方都市の一部の地域でのみ信仰されていた「猫鬼」は、角の本数で階級が決まっていて、本数が多くなるほど位が高くなるんだけど、さらに極めて神に近くなると角が消えてしまうとか。
 伝奇小説顔負け。


 幻獣のミイラというと、見世物や海外に売られた作り物、寺院の宝物など、ある意味、枠に収まっているものが私のイメージの中心だったんですね。
 ところが、民間信仰の中から出てきた≪妖怪の遺骸≫は、祀られていたころの記憶の残滓が濃厚に絡みついていて、背景を失った白い陳列台の上に並べられてなお、透明なガラスケースの向こうから異様な迫力を放っていました。


 他にも「化物尽くし絵巻」を全部広げて展示してあったり、狩野宴信「百鬼夜行図巻」のハイライトがあったりと、絵画の部にも珍しいものがあって眼福眼福。


 面白かったー! 木原浩勝氏の怪談ナイトと友達と約束したのも含めてあと三回は行く予定です。