モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!

モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!
 生活に不可欠なのに、道路や橋やダムができるまでの過程ってあんまり知らない…。この本は、イラストレーターである著者が、土木の現場を取材するという企画で、「土木学会誌」に連載されていたものです。細かいところまで描き込まれたイラストをじっくり眺めるだけでも楽しいし、あのシートの中はこんなふうになっているんだ〜という驚きも味わえます。
 ただ、「初心者にも分かりやすい」かというと、ちょっとハテナ?と首をかしげてしまいます。巻末に図解入り用語集をつけるとか、もうすこし工夫があってもいい。この本は、コンセプトと内容はすごく面白いのに、編集がいまいちなところが残念です。一つ一つの現場の扉も、施工期間や総工事費、場所などをデータ欄に出してくれた方が見やすかったと思うんだけどなあ。
 とはいえ、「土木」というと、どうも「環境破壊」とか「税金の無駄遣い」とかよくないイメージがありますが、現場で作業している人たちが、さまざまに工夫を凝らし、「モノづくり」をしている様子は、理屈抜きで尊く、面白いものだと思えました。