瀬戸内国際芸術祭2010 二日目(その2) 男木島-女木島

13:24-13:44男木島行高速旅客線(20分)
 港について、案内所でもある男木交流館43男木島の魂 で案内マップをもらう。後でわかることだけど、案内マップに「男木島の路地は急坂のため大変滑りやすくなっております。」と書いてあるのは誇張ではない。どこも、ものすっごい坂道と階段で、しかも狭い! …え、こんな道、通っていいの? 人ん家じゃないの? っていうか、島のお年寄りは、毎日この坂上り下りしてるのまじで? とビックリの連続だった。
 案内所から見上げると、集落が山に張り付くように立っている。


 さっそく坂道に取りついて、せっせと登っていくと、案内所からも見えていた54雨の路地 に着いた。残念ながら時間が合わなくて雨は降っていなかった。でも、ちょっと歩いただけなのに、もうずいぶん高いところに来ていて、振り返ると景色がぱあっと開けていて、気分爽快。
鮮やかながら、意外と古い民家の壁にマッチしている58 男木島 路地壁画プロジェクトwallalley を横目に見ながら、ひょい、と次の路地をのぞくと、55海と空と石垣の街があった。風が吹くと、うすい布がひらひらとゆれる。


 47音の風景(瀬戸内編)は、鈴の方は見られたんだけど、竹の方は見られず。鳥の羽根に鈴をつけたものが、ボロボロの廃屋(牛小屋?)の中にいっぱいぶら下がっていて、ランダムに羽根が震えだすとチリチリ…と鈴の音がする。ちょっと不気味で、可愛くて、好きだなあ、と思ったので、「もののけ姫のコダマみたい」(母談)だったという竹の音も聞きたかったな。
 

「音の風景(瀬戸内編)」の前で「30分待ちなんですよ」と案内してくれたスタッフさんは、側にある56オルガンのお世話(?)もしていて、上の方で呼びかける人がいるとちゃんとお返事をしていた。ので、わたしもてっぺんのオルガンにたどり着いたときに「先ほどは、案内してくださって、ありがとうございました〜」と声をかけてみた。相手の姿が見えないのに、声が聞こえるのは、糸電話の延長みたいで、お腹の中がくすぐったくなるような楽しさがある。

 46 川島猛とドリームフレンズ49 誕生─性─生─死─家─男木島伝説50 漆の家プロジェクトと順調に、だけどあまりじっくり見られずに、細い路地を登ったり降りたりして、豊玉姫神社の下まで来た。そこでは、ふたりのおばあさんが、乳母車を椅子代わりに腰掛けて、和やかにおしゃべりをしていた。この上には57 島こころ椅子プロジェクトがあるし、そのまま下れば、51オンバ・ファクトリーがある。なので思わず、このおばあさん達もアートの一部かと思ってしまった…。


 52うちわの家にたどり着いた時点で、14:45。53ウォール・ワーク48 SEA VINEは、時間切れで見られず。


 実は20:00に宅配が来る予定で、それまでに自宅に帰るためには17:00には高松駅に着いていなければならず、逆算すると、男木島を15:00には出ないと女木島を回れないスケジュールだったのだ。男木島での滞在時間は76分。狭い集落にギュッ! と作品が密集していたから、一通り回れたんだけど、ものすごい満足感・充実感があった。待ち時間がなくていくつかの作品が見られなかったのと、島の路地を迷いながらぶらぶらと散歩できなかったのが心残り…廃墟+路地+猫という最強コンボで、歩くだけでも楽しい島だったからね。


15:00-15:20女木島行フェリー(20分)
 地元では男木島と女木島は、いつもセットで見られるんだけれど(夫婦島という感覚)、案内マップも二島で一枚で仲のいいことである
 女木島では、滞在時間がさらに短い55分。作品の数が少ないから37福武ハウス2010と、39均衡をサクサク回って、あとは船を待ちながら、3520世紀的回想の周りをぶらぶらしたり、確かに男木島でもカモメが波止場にこんな感じで等間隔で並んでいたから、こんなふうに作品を置いたら、カモメにとっては迷惑だろうなーなどと思いながら、40カモメの駐車場をぼんやり眺めてたりしていた。
 船の時間を気にしたせいか、中途半端に時間が余ってしまった感じで、38不在の存在の併設レストランで、お茶しても良かったかなー。
 

16:15-16:35高松港行フェリー(20分)
 今回行った5つの島で、一番インパクトがあったのは犬島で、一番これ好き! な作品が多かったのは豊島で、一番アートと島が一体化していたのが男木島だった。
小豆島の66小豆島の家に行ってみたかったけど、残りの会期もあとわずかだし、無理かなあ。

 行く前は、どんなもんだろ、と思っていたけれど、島っていいなあ! と地元の良さを「発見」できた。「アート」も、これ好き、と思えるものにいくつも出会えたし。こうなると、越後有妻大地の芸術祭の里にも行ってみたくなる。