水木しげる米寿記念ゲゲゲ展 阪神百貨店梅田本店8階催場

 この、によによカップルめ!(←本日の放映を見て)
    ←阪神百貨店のエレベータ扉
 それはともかくとして、東京松屋銀座で23日まで開かれていたゲゲゲ展が、やっと関西に巡回してきました。阪神百貨店の館内いたるところで、展覧会の宣伝をしていて、阪神電鉄挙げて盛り上げよう、という熱意が伝わってきて、とてもわくわくします。会場は、閉店間際に行ったというのに大変な盛況ぶりでした。「ゲゲゲの女房」効果の上、百貨店ということもあり、やたらと女性客が多かったです。夏休みということで、子どもも多かったですが、小学校の低学年くらいの男の子が、何がおかしいのか、次々と絵を見ながらその都度ケタケタ笑って大喜びしていました。子どもの「笑い」を引きだす絵って、すごいなあ、と思います。
 
 これは、入口のパネル。鬼太郎を中心に、水木しげるキャラが阪神電鉄梅田駅に集合。「ゲゲゲの女房」オープニングに出てくる小鬼たちもいます。

 今回の展示の目玉は、なんといっても「河童の三平」「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」という水木しげるの生み出した三大ヒーローの生原稿でしょう。水木しげるの一枚絵は見たことありますが、生原稿ってあんまり機会がないような気がします。これらの作品にはどれもいろいろなバージョンがあるので、例えば「鬼太郎」だったら、「墓場鬼太郎」と「少年マガジン」版、「悪魔くん」だったら、「少年ジャンプ」版と「少年マガジン」版を並べて展示してあって、見比べる楽しみもありました。
コミックスではザクザクと読み飛ばしていましたが、こうして生原稿を前にすると、それがどれほど贅沢なことだったかが分かります。書き込まれた緻密な背景から立ち上る自然の力強さは、圧倒的でした。ドラマで「印刷に出ないのに、そこまで描くんですか」と編集者が感心していましたが、生原稿の繊細な書き込みは確かに尋常ではありません。水木しげるのキャラクターの線が単純なのは、背景に負けない為なんだなーと思いました。
そして、会場のあちこちから聞こえる「てんてん…」「てんてん…すごい…」「てんてんが…」「いたよね、点々ばっかり描いてる人」の声。よかったねえ、すがちゃん!(「このドラマは原案本を中心としつつも、実際の出来事や人物にもフィクション化が加わっていますので、純粋に物語としてお楽しみいただければ幸いです。」NHKドラマスタッフブログより))
 水木しげるは、「妖怪は目に見えない」と言っていて、その目に見えない存在を見えるようにしたのが自身の妖怪画、とのことだけど、その形の独創性はいったいどこから生まれたのかなあ。鳥山石燕など過去の妖怪画から取ったものもあるだろうけれど、鬼太郎の生原稿に出て来た「吸血木」や「見上げ入道」に点描で描かれた妖怪なんて、どうやったらこんな形を思いつくんだろうとと思ってしまう。しかも、これもまた美しくてうっとり。
 「悪魔くん」コーナーの床には、魔法陣が描いてあって、キャプションに「実際に伝わる魔法陣を制作することも可能だが、本当に悪魔が出てこないよう、今回はオリジナルデザインの魔法陣を描いてみた」とありました。こういう遊び心、いいですね。これ見た人は皆、「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム」って唱えてたから、ほんとに悪魔が出てくるかも(笑)
 
 鬼太郎茶屋が出張してきていたので、ぬりかべの形をしたコーヒーゼリー「カベオーレゼリー」600円を食べました。ふつーに美味しいところが素晴らしいです。物販コーナーでも大いに盛り上がって散在してしまいました…。展覧会でグッズを買うのに、あんなに並んだの初めて。
 神戸でも、水木しげる展をしているので、もう少し涼しくなったら、行く予定です。こっちも楽しみー!