ゲゲゲの女房「妖怪いそがし」

 藍子ちゃんが大きくなった! と同時に、オープニングが変わりましたね。これまでふたりで自転車をこいでいた土手道に、子ども達が加わりました。 娘たちの背中を見守る茂と布美枝という点でも、未来へと走っていく子ども達という点でもこの構図はとてもいい。思わず涙ぐんでしまいました。
 藍子ちゃんも小学生になってだいぶ個性が出てきました(子役が演技できる年齢になりました)。引っ込み思案で生真面目なところはお母さんに似たんですね。そして、マイペースな喜子ちゃんは、どうみてもお父ちゃん似…。環境と性格ゆえの悩みも多いようですが、布美枝さんにチヨ子さんがいたように、喜代美ちゃんに純子ちゃんがいたように(©ちりとてちん)、藍子ちゃんにも味方になってくれるしっかりものの友達がいてよかった。
 学校という特殊な閉鎖空間での出来事は、大人には測りがたいところがあります。親や教師など周りの大人は、子どもの言うことに耳を傾けて、悩みやしんどさを理解しようと努めるべきだとは思いますが、他者である子どもの気持ちが汲めるかどうかは保証の限りではありません。別に全てを全員が分かってあげる必要はなくて、悩みの一部を誰か一人でも共感してくれる人がいればだいぶ楽なはず。お父さんでもお母さんでも、おじいちゃんでもおばあちゃんでも、担任の先生でも養護教諭でも、きょうだいでも、そして友達でも。いろんな種類の人間が、周りにいるのが大事なのは、子どもに限りませんがね。
 ドラマや漫画で学校のシーンが出てくるのは、理不尽なことでいじめられたり、からかわれたりして、でも上手く言い返せなくてじたばたしていたことを思いだすので、苦しくて苦手です。子どもが悲しい顔をしているのは、シャレにならないですしね。でも、ピンでも漫才でも底抜けに面白い修平・絹代の夫婦や、波平猫や妖怪いそがしのアニメーションで「笑い」が入っていて、あんまり暗くならずにすみました。
 仕事場からつまみだされる喜子ちゃん、可愛かった(^^)。そして、娘に妖怪アンテナを立てる父親…。