四畳半神話大系

四畳半神話大系
(注)アニメ「四畳半神話大系」の最終回を見逃してやや錯乱気味。
 森見登美彦氏のひねくれ者の次男は、あまりにもお兄さんに似すぎてやしないかい、といういわれのある先入観でもって、長らく敬遠していたのですが、アニメの最終回を見逃したショックを紛らわせるために、とうとう親交を温める羽目に陥ったのでした。
うそです。アニメが終わったあかつきには、もとより読むつもりでいたのですが、最終回が…おお、なんということ。まだBSがあるとはいえ、放映まであとひと月以上あるのですよ、ううう。
気を取り直して、読了してみて、「やっぱりアニメの最終回を見てから読めばよかったああああ!」と改めてうちひしがれました。小説では、最終回付近の話が一番面白かったので、先入観なしに見たかった…。
さて、本書は、森見登美彦の名調子のおかげで、楽しくは読めるのですが、同じことの繰り返しなので、だいたい1日に1話読むのがちょうどいいですね。アニメは、その点、週1のペースで、この作品のリズムによく合っていると思います。
森見作品のアニメ化の話を聞いて、なぜ人気のある「夜は短し歩けよ乙女」ではなくて、「四畳半神話大系」? と思ったのですが、作品としての完成度の高い長女より、次男の方が、脚本での再構成のし甲斐があったんだろうなあ。
小説は小説で、アニメでは採用されなかった「仕掛け」が4話目で生きてきて、「こうきたかー」とビックリさせられたので、最終回見逃しの傷心もやや慰められました。