パスタマシーンの幽霊

パスタマシーンの幽霊
 第1話「海石(いくり)」から、川上弘美さんお得意の、不思議な生き物が出てくるファンタジックな短編集かと思いましたが、そのあとは若い女性が主人公の意外と現実的なお話でした。しかし、川上弘美らしく、どこか浮世離れした雰囲気で、なんとも気持ちのいい一冊でした。
 通勤電車で読了したのですが、ふと隣を見ると、横に座っていた女性が、おもむろにノートパソコンを立ち上げると、小説を書き始めました。一瞬まだ、川上弘美ワールドにいるような錯覚を起こしました。