サイのクララの大旅行

サイのクララの大旅行―幻獣、18世紀ヨーロッパを行く
 18世紀にヨーロッパを見世物として興行して回ったメスのサイ「クララ」の生涯を描いた歴史ノンフィクション。ヨーロッパ中を20年近く移動して生き続けたということが何よりの驚きです。しかも、サイ。おとなしいかもしれないけど、重いしすごい食べそうなのに、どうやって飼ったんだろう…。日本でも江戸時代にラクダやゾウなどが見世物として連れてこられ、人気を博したそうですが、すぐに死んじゃってますもんね。
 本の中では、クララの体調管理に最大限気を使いつつも、興業を成功させるためのチャンスをものにしていった、興行主のしたたかさが描かれていて、ビジネス書としても面白い読み物になっています。