鋼の錬金術師２５

　巻を重ねて長編漫画になると、１巻ずつの感想は書きにくい。コンスタントに面白いのに、登場人物たちが今何を目的としているかが、すぐに見えにくくなってしまうのはなんでかなーと考えていたんですが、意外と、本作の魅力の一つである「ジャンプ的でないところ」が原因なのかもしれないな、と思います。敵が強さのインフレを起こすわけではなく、ゲームのようにステージが上がっていくわけでもない複雑でリアルな登場人物たちの動きが、「鋼」が子どもから大人まで幅広い読者を獲得している理由です。だから、時間をあけて一部分だけ切り取ってしまうと、今何のために戦ってるんだっけ？　ということになるんじゃないかと。すべてが終わったら、まとめて読むのを楽しみにしています。