みおつくし料理帖 想い雲

想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
 この娘はとんでもない、と種市が思ったところで、某有名長編少女漫画の名台詞「…恐ろしい子!」というフレーズが頭をよぎったんだけど、「とろとろ茶碗蒸し」では、芳さんがまるっきり月影先生(某をつける意味ない)だった。料理人なら「チャングム」だけど、あれも韓国版「ガラかめ」だもんな…。王道をたっぷりと堪能できる、評判にたがわぬ面白さだった。
 数々のドラマが同時進行していて、どーなるんだ! と気をもませるけれど、私が一番注目しているのは、幼馴染野江ちゃんとの今後だ。小松原さんに関しては、「そいつはいけねえよう」という気持ちでいっぱいだが、まあ恋心はどうにもならないしな…。
 巻末には作中で出てくる垂涎ものの料理のレシピが載っているが、「家で作れるようなものをお客に出すな」という嘉兵衛の教え通り、簡単には作れそうにない。「天日で三日干す」とか、ムリだから! しかし、読み終わると、どーしても何か食べたくなってしまったので、「ほっこり酒粕汁」を作ってみた。いつも適当に作ってて、それはそれで普通に食べてたけど、このレシピで作ったら、本当においしくできて、びっくりした。暑くなったら「忍び瓜」を作ってみよう。