越境する児童文学

越境する児童文学―世紀末からゼロ年代へ
 ここのところ、いろいろなジャンルで「ゼロ年代」という言葉が使われているなあ、と思ってたら、2010年になって(20)00年代が終わったからだ、と今更気がついた。この10年間は、ちょうど集中して児童文学を追いかけていた期間なのだけど、こう、自分が過去10年を「振り返る」ことができる年になったんだなあと思うと、妙にうろたえてしまう。
 森絵都上橋菜穂子岩瀬成子川島誠など、エポックとなった作者と作品が、当時とその後の児童文学に与えた影響を、著者の個人的な見解をまじえつつ明快に論じていて、大変読みやすかった。