乙嫁語り

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)
 いーじゃないか、少々歳がいってても、美人で狩りがうまくて気立てのいい嫁さんなら! と思うのは現代日本人の感覚かなー。でもカルルクもいいって言ってるし。あとがきにもある通り、萌えもここまで突き詰めると、いっそ清々しいです。
 19世紀、放牧から定住へと暮らしの変わりつつある中央アジアを舞台にした、新婚夫婦物語。凝った刺繍の布地や、じゃらじゃらのアクセサリー、こまごまとした生活の品など、画面の隅々まで楽しめます。
 ほのぼのとした一家の生活を描写しつつも、アミルを取り戻すべく動き出した実家の思惑など、ドラマも期待できそうです(あんまりハラハラはしたくないんですが)。以前、文化人類学に少し興味を持って、いくつか基本図書を読んだので、女を「交換財」と見る考え方があるのは知っていました。現代における「人権」という考え方は、それを獲得すべく奮闘してきた歴史を踏まえて、私は尊重すべきと思っていますが、枠組みの違う考え方を「文化」ととらえるスタンスも、回路の一つとして持っていたいです。
 んー、他には、最初スミスさんを高等教育を受けてきた次男坊だと思ってたとか、おばあちゃんがカッコよすぎるとかかなあ。あ、あとザクロが食べたい。