怪談異譚

怪談異譚―怨念の近代
 近現代において「怪談」の果たしてきた役割を論じた評論集。近世において四谷怪談や番長皿屋敷が、虐げられた女性の怨念の表出であったように、怪談の主人公を見れば、その時代に抑圧されてきた人々の姿が浮き上がる…。
 『新耳袋』第四夜の「八甲田山」を読み解いた第五章「平和教材としての怪談」が、自分の怪談体験に即していておもしろかったです。