水曜日のクルト

新版 水曜日のクルト (偕成社文庫)
 水曜日のクルト めもあある美術館 ある水たまりの一生 ふしぎなひしゃくの話 血の色の雲 ありとあらゆるもののびんづめ
 推理小説仁木悦子が受賞前に書いた童話集です。童話って、本当に難しいらしくて、一見ゴタゴタと可愛らしく飾っていても食べるところは全然ないものが多いのですが、これは「すきとおったほんとうのたべもの」でした。作品が語りかける「善」を素直に受け取ることができるんですね。作中に流れるのんびりとした時間にほっとします。「ある水たまりの一生」と「ありとあらゆるもののびんづめ」が好きです。