サマーウォーズ(3回目)

 「家族」の絆を確認する舞台である縁側が好きです。特に、一族がそれぞれの哀しみを抱いて佇む姿を横のスパンで映し出すシーンは、何回見ても飽きません。ほとんどシルエットになっていて表情は分からないのに、一人一人が、どんな思いで自分の哀しみと向き合っているかが伝わってくるすごいシーンです。
 だからこそ、侘助は縁側になかなか上がってこないんですよね。ちゃんと上がるのは、侘助を家族と認めている夏生と花札をするときだけです。そして、その縁側で、陣内家の新たな当主に迎え入れられて、そこでの食卓に加わることで「家族」になる。
 侘助といえば、栄おばあちゃんにラブマシーンを作ったのは自分だと自慢するところ、あそこで「ばあちゃんにもらったお金で」と言ってましたが、直美さんには「おばあちゃんの山を勝手に売って」と言われていました。あれは、やっぱり、家の金をいくらか持ち出して出ていこうとする侘助に、栄おばあちゃん自身が「これで人様の役に立つ仕事をしろ」と言って自分から山の権利書を渡したんじゃないかなと思います。あの時の侘助は、お母さんに誉めてもらいたい子どもの表情で、そんなときに「勝手に売った」、つまり盗んだお金を「もらった」というごまかしはしないと思うんですよね。どうかなあ。
 今回は、ちゃんと佳主馬もガン見してきました。佳主馬がお母さんと背中合せに座ってるところ、泣いているお母さんを支えているようにも、自分が甘えているようにも見えて可愛い。なんだかんだで、こいつ絶対シスコンになるんだぜ。