宵山万華鏡「宵山迷宮」

 「劇場」が「金魚」と表裏だったように「迷宮」は「回廊」を別の視点から眺めたものです。「宵山」にとらわれてしまったもう一人の男の物語。脱出の鍵となる水晶玉の来歴が妖しげです。「劇場」の連中が大がかりな悪戯を仕掛けているのと同じ空間で、このように静かな闇が沈んでいることの対比が怖さを一層際だたせます。
 宵山は行けそうもないので、宵々々山に行ってきました。

蟷螂山            物販に力を入れています

   鯉山       何百匹と鯉の描かれた帯の滝  金魚より食い気
 京都は祇園祭が始まったと思ったら、急に夏が張り切りだしたようで、熱気がすさまじいです。日が暮れても蒸暑くて、この暑さの中全鉾山制覇するのはムリ! 私は、四条通りを長刀鉾から四条傘鉾まで眺めて、室町通りを北上し、姉小路通りから東へ脱出する経路でぶらぶらしました。
 透明のビニールボールの中に金魚を浮かべた可愛らしい風船があるなと思って感心して眺めていたら、「宵山迷宮」にも登場したので、現実と物語世界の境界が不意に曖昧になるような、不思議な感じを味わいました。