レッドクリフPart2

 製本技術が発達して本が分厚くなるのと同様に、記憶媒体が発達することで映画は長くなりました。でもなあ、縛りがあった方が、取捨選択に頭を絞ることで良いものができるような気がするんだけど。上映時間は長くて2時間まで、という決まりを作っちゃえばいいのに。
 つまり、2時間40分は長すぎる! 考えるな、感じろと言わんばかりのイメージ重視のシーンが多すぎて、冗長に感じました。戦争物なんだから、もっとテンポが良くてもいいのに。
 火芸を見ているような赤壁本戦は、さすがの迫力で見応えがありました。戦場の悲惨さを伝えるのに、魏軍も連合軍も、雑兵も将軍も、区別なく無惨な死を遂げていく様を描写していたのが良かったです。魏軍兵士が劫火に飲まれていく様を見ていると、周瑜小喬を失っても仕方がないんじゃないかとすら思えてしまう容赦なさ。あと、孫権の妹姫は、ヒドイと思いました。彼女が声をかけなければ、孫叔材は戦場で油断することなく生き残れたかもしれなかったのに…。デブ助とおバカがほのぼのとした友情を育んだエピソードが良かっただけに、この結末にはもやっとしてしまいました。
 そのなかでレゴラスばりの曲芸武術を華麗に披露する趙雲の存在は一服の清涼剤でした。甘興の戦死は壮絶だったなあ。私はああいう猪突猛進型の猛将が好きなので、生きてて欲しかったなー。