風の少女エミリー 全26話

未視聴回:1,5,19,23、26
評価:A−(A.好き B.まあまあ C.つまんない ±.脚本、作画、キャラクター等、作品全体の出来)
原作:未読
OP・ED
OP「風の少女」
ED「風のそらみみ」版画風の絵でニュームーンの暮らしを見せる落ち着いたエンディング。うまく作品の雰囲気に合ってて、アニソンとはかくあるべし、と思う。
好きな回
第13話「マレー家のクリスマス」マレー家のクリスマス、エミリーの「家族」が贈ってくれた贈り物は、どれもエミリーにぴったりのものばかりだった。マレー家の人たちは、相手をよく見ているんだなあ。エミリーが、みんなから愛されてることが、言葉ではなく伝わってくる丁寧な演出が素晴らしい。嫌みばっかり言ってるルースおばさんは、エミリーの本質をけっこうよく理解してると思うな。
第17話「イルゼの秘密」アラン・バーンリは、愛するあまり臆病になって、周囲が見えずに大切な家族に寂しい思いをさせていたことに、気がつけてよかった。まっすぐにぶつかっていくイルゼの気性、やっぱり好きだなあ。美少女キャラなのに、なぜかお笑い担当(笑)
第22話「雪の中の告白」イルゼって、そうだったの!? 今までそんなそぶり見せてたっけ、と鈍感な私はびっくりしました。そんでペリーが、あっさりイルゼの美しさに参っちゃうところは、この子らしいな…と笑った。でも、ペリーの真剣告白や、嵐の小屋での男女4人の緊迫した雰囲気には、上品な色気があって、ドキドキしました。エミリーを信じて校長先生にかけあうルースおばさんが、ますます好きになった。
第25話「雪はいま、とけゆく」通り一遍の慰めを言わず、多くの言葉をエミリーに残して去っていったカーペンター先生。最期まで、青年のように悩み苦しみ、そこから生まれた人生観が、型にはまらない深みのある人物像を作り上げていました。そして、エリザベスが「あなたたちの子を、私は叩いてしまった」と涙を流して後悔する素晴らしいシーン。この回のエミリーはイライラさせられる落ち込みぶりで、引っぱたきたくなる気持ちはよく分ったのですが、どんな理由があろうと体罰を自分に許さない、エリザベスの誇りと強さに敬服しました。マレー家の誇りは伊達じゃない。
コメント
 最終回を見逃して、大ショック…。
 懐かしの「世界名作劇場」の雰囲気を十二分に持ったモンゴメリ「エミリー」原作のNHKアニメ。時にはこちらがたじろぐようなキラキラした演出が、突き抜けてて、気がつくと熱心に視聴していました。天真爛漫で詩を書くことが好きな少女が、厳格な叔母さんに引き取られて…と書くと、きっと少女が叔母さんの心を溶かしていくのね、と思いがちですが、そうではありませんでした。大人はエミリーを次第に愛するようにはなりますが、根底から性格が変わるようなことはなく、変わっていくのは子どもであるエミリーの方でした。こういう名作ものって、子ども時代が面白くて、成長するにつれてトーンダウンしがちだけれど、エミリーは成長してからの恋や挫折が、深く描かれていて迫力がありました。その分、23,26話を見逃した衝撃は大きかった…エミリーとテディはどうなっちゃったの!? DVDが出るのは12月かあ。再放送しないかな。