2日目 高山〜上高地


朝食07:30
 お味噌を朴葉の上で焼いて、ご飯にかけて食べる郷土料理です。ご飯何杯でも食べられそう。実際、鮭やら卵やらお漬け物やらがついているので3回おかわりしました…。旅行中って、なんでこんなに朝ご飯が食べられるのかな、いつもはヨーグルト一杯とか、トースト一枚とか、ご飯一膳とかなのに。
 チェックアウトの手続きをしてから、お宿に荷物を預かってもらって、徒歩10分の「飛騨の里」へ。
    
飛騨の里08:40 
 飛騨に残された古い民家をあちこちから集めて移築した民俗村です。雪国の昔の暮らしを肌で感じることができます。民家に近づいて驚いたのは、中から煙が出ていること。なんと、ここでは、民家を虫や腐食から守るために、常に囲炉裏に火を絶やさないのだとか。火の燃える匂い、木のはぜる音が薄暗い家の中に充満していて、何ともいえずいい雰囲気です。もちろん、管理には人手もかかっていて、30軒ほどある民家のひとつひとつに、火の番をする人がついていました。またこの人達が親切で、自分の仕事をしながら、気が向いたときにちょっと声をかけて説明やお話をしてくれます。年配の方が多く、維持管理が大変だろうと思いますが、なんとかずっと続けて欲しいと思いました。
 古民家というと、合掌造りや茅葺き屋根の立派な建物が有名ですが、もっと貧しい人もいたはずで、木挽き小屋や炭焼き小屋なんて、本当に狭い。木や藁を寄せて作ったという感じで、雨風をしのげるだけ、というものです。こういうところで働いていたんだなあ…。全棟共通して言えるのは、とにかく隙間だらけ。中が薄暗いので、外からの光があちこちから差し込んでくるのが分ります。もちろん、冬は藁などを詰めて防寒していたのでしょうが、これだと蛇やらカエルヤらムカデやら、入りたい放題ですよ。実際に、建物の裏に作っている田んぼの畦を歩いていたら、なんか茶色くて細長くてにょろにょろした物が足元を〜。私は、ムシ全般が全然駄目なエセナチュラリストです。
 右端は、全体にこんもりと丸っこく、いっちばん可愛かった 旧八月一日(ほづみ)家。屋根の上が草原みたいです。右から2番目の佐清(すけきよ)さんは、家の中で展示されていた材木を運んでいる写真で、吹雪を防ぐためにお面をしているのです。こんな人と吹雪の中ですれ違ったら怖いな。
 いいところなので、飛騨高山へ観光の際はぜひ立ち寄って入場料を落として行ってください。

高山市街11:30
 「飛騨の里」で2時間近く楽しんでしまい、大あわてで荷物を受け取り、10:51飛騨の里下発のバスに乗りました。高山駅バスターミナルのコインロッカーに荷物を預け直す。財布兼手帖の入るポシェットしか持っていなかったので、日傘とガイドブック、ペットボトルのお茶を入れる袋がなくて困りました。駅前のおみやげ屋さんは、どこもビニール袋一枚分けてくれませんでした…けち。
 てくてく歩いて高山陣屋前朝市へ。20ほどの出店が並んで、野菜や手作りのさるぼぼやらを売っています。さるぼぼ! わたしはさるぼぼが大好きなのです。可愛いさるぼぼを見つけるために高山へ来たと言っても過言ではありません。12時には店じまいなので、大急ぎで物色しました。2cmの小さいのと、姪っ子用に飲み込めないサイズの柄物のチョッキが可愛いさるぼぼをゲット。そのまま、古い町並みが残るさんまち通りへ入っていきました。
 さんまち通りは、連休の初日で、観光客で大賑わいです。この通り一本だけでなく、この付近全体に落ち着いた城下町の風情が残っていて、そこにいろいろなお店が並んでいます。
 
坂口屋12:00
 まずは、腹ごしらえ。昨日食い足りなかった飛騨牛をリーズナブルなお値段で食べさせてくれる坂口屋で、「そこがみそステーキ 100g」をいただきました。例の朴葉味噌に、牛肉を載せて焼き、味噌のからんだ飛騨牛をいただきます。く〜おいしい〜。店内は昔旅館だったような内装で、サツキがかけていたような古い電話もあったりして、見てるだけでも楽しい。
 お腹がおきたら、ぶらぶらと自分用のお土産を物色。実家に昔からある藤田鉄工工芸展の蝋燭立ても飛騨高山に来た目的のひとつ。おはなし用のろうそく立てが欲しかったんです。ついでに和ろうそくを買おうとしたら、お店のおばさんが、ほこりを被ったような薄汚れたろうそくを出してきました。不純物が混じっていない、煙のあまりでない和ろうそくは、こんなふうに粉を吹くんだそうで…汚いなんて言ってすみません。ここは柄物の和ろうそくも売っていて、このおばちゃんが絵付けをしてるんだとか。使えば使うほど味わいの出るろうそく立てなので、火を灯すのが楽しみ。

高山市図書館煥章館(かんしょうかん)13:00
 本当は、もう一本早いバスに乗って、宿に早めに着かないといけないのですが、ここはどうしても見たかった。平成16年新築の洋風建築図書館です。1階が全て児童室で、大きな木を模したベンチや、汽車の形をした本棚など、遊び心がいっぱいです。こんな図書館が近所にあったら、楽しいだろうなあ。羨ましいぞ、高山市民。
 駅に帰る途中の郵便局で、お土産を一旦まとめて家に送る。
高山14:20発 濃飛バス平湯温泉経由直通バス)
平湯温泉15:10着 15:20発 濃飛バス
上高地15:45着

上高地バスターミナル
 ここから、今夜の宿までは徒歩40分。舗装はされていませんが、整備された川沿いのほぼ平坦な道をひたすらあるきます。予約をしたときから、日没までには必ず宿に着くようにとくどいほど念を押されていました。河童橋を渡って、梓川右岸道に行くと、日没までにはつけないから、くれぐれも間違えないようにと何度も言われました。女の一人旅で、よっぽど頼りなく思われたのかなあ。
 
明神館16:25
 ちゃんと日没前に着けました。宿の明神館は、明神池の近くにある山荘風の旅館です。残念ながら、到着時には、午後まで快晴だったのが曇ってきて、明神岳もはっきりとは見えなくなっていました。星空も見えなくて、惜しかった。
 風呂、トイレば部屋の外、消灯は9時半等いろいろと制限はありますが、山に来ているのだから、あまり気になりませんでした。新館はトイレもお風呂もきれいで、快適に過ごせます。食事は、ご飯と味噌汁以外は、冷めたものが出されるのですが、これは言っておかないと不公平なので、強調しておきます。カツレツも天ぷらも、イワナの塩焼きも、冷めてはいましたが、サクサクでとってもおいしかった! こういう揚げ物を冷めてもおいしくできるのは、本当に料理が上手なのだと思います。
 オーナーが個性的な人で、この人とあう、あわないがあるかも。明神岳を心から愛していて、夕食時には歴史を蕩々と語ってくれました(でも要点が不明瞭なので分りにくかった…)。私は…タダでリンゴくれたり、なんかやたらと声かけてくれたり、チェックアウトの時にハグされたりなどで、ちょっと引きましたが(^^;。いい人みたいなんですけどね。
 9時半消灯だったのですが、なかなか眠れず。