gift

gift

gift

 昨日、職場でとある「実験的」な小説が話題になっていたので、見せてもらった。確かに「実験的」なのは分ったが、1行読んだところで読む気が失せた。古川日出男の文章も、やや実験的と言える手法ではあるだろう。でも1行でやめられるわけがない。独りよがりな駄文を直前に眼にしたせいで、古川日出男の小説のうまさが際だって思えた。
 文章が飛び抜けて上手くて、おまけに作り出す世界が独特なら、鬼に金棒。いやもう古川日出男の作品世界がこんな薄い本の中に19も収められているんですよ! なんという贅沢か。どれも、フシギで、キュートで、ラブがある。『この本、おもしろいよ!』でヤングアダルト向けに紹介されていた本ですが、確かに日頃あまり本を読まない若い人にぴったりかも。高校生の朝読とかにね。