土佐の世間話

 「がいに今年は生(な)ったねや、きれぇに生ったねや
  思いよったら、その家の者で、親か兄弟か子どもかなんぞ、不幸がありますな、たいてい。ぱさっと死ぬる時がある。
 「あれは、別れ作じゃったねや
 と、こう、みんな言います

 うおおお、ラピュタは本当にあったんだ(誤用)。「蟲師」の世界に土の手触りがするのは、作者の絵柄もさることながら、選ばれる言葉の語感に、多くの読者が直接は知らないはずの民俗的な記憶が織り込まれているからだと思う。きっと他のエピソードにも、元ネタがあるんだろうなあ。