蟲師〜連綴〜
- 作者: 長濱博史,アフタヌーン編集部,漆原友紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/25
- メディア: コミック
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や…っと読めた〜。買ってからひと月経ってるよ、本当にファンなのか、私…。
音響さんの話がとてもおもしろい。飲食店の食見本のように、身近にあるのに存在することに気がつきにくい職業、のような気がする。魚のビチビチはゴム手袋を濡らして振るのかー、って「ご家庭でもどうぞ」ってどうしろっつーの(笑)。そういう風に代用する音のある一方で、石を踏む音には実際に大きな石を踏んで「カカトからつま先まで動くような不安定な感じ」を出してる。一番感動したのが、「虚繭取り」山のじいさまの家、上に行くほど湿気のある音にしてあるってところ…そういうことに気がつくのがすごい。いつも聞いている音がどんな音と似ているのか、なぜそういう音がするのか、こういう人はいつも考えているのかな。きっと、再現する音を探すのに試行錯誤してるに違いない。私のイメージする「職人」さんの仕事って感じがします。
原作者と制作者のやりとりや、漆原さんの感想もおもしろかった。「眼福眼禍」の眼福が「ビッチビチ」には思わず吹き出したし、「綿胞子」の鉱物は孔雀石がモデルというのもトリビアだった。イサナとか野萩のイントネーションとか、原作に名前のないキャラの名付けはやっぱり原作サイドに確認したんだとか、疑問も解決されてスッキリー。イサナの可愛さが原作者に認められてたのにも、にんまりー。
声優さんのコメントも楽しい。中野さんは出身がヤクザ映画なだけあって、侠(オトコ)対決にこだわってたり、「化野は、一体どのくらいマガイモノをつかまされているんだろう?」とファンなら誰もが思ってる疑問を提出したりしている。化野コレクションは私も見たい。他の出演者さんも、ほんの1話参加しただけなのに、実感のこもったコメントを寄せていて、そういうところにもじわっと感動がありました。子役の何人かが「こわい」という感想を寄せていて、にまにま。そうそう、「他者」である蟲の怖ろしさも蟲師の魅力のひとつだからね。
音楽の増田俊郎さんのインタビューはなにやらすごい念がこめられて、気圧された。
Q&Aで、テレビオンエア版とDVD版の違いとして「瞼の光」[枕の小路]「眼福眼禍」に放送規制されてたところがあげられていましたが、「枕の小路」の箇所は分らなかったな…、絵コンテ感想再開しないと! 「眇の魚」「眼福眼禍」の月の色が変わってることには言及がなかったけど、誰が最初に気がついたのか、私も聞けばよかった。
欲を言えば、テーマカラー一覧(作品解説に付されているんですが、ずらっと並べて見たかったので)が欲しかったのと、各話の収録カットは、本文中で言及されている箇所を取り上げて欲しかったな。いや、またアニメ見直して確認するんですけど(笑) そして、シナリオ集欲しい!! 読みたいー出してー出してー。漆原友紀の普通の画集(カラー全収録希望)とともに、講談社に陳情したい。